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ひるねこの居眠り

Hey!Say!JUMPと伊野尾慧…時々家族への愛を綴ります。

地上波初「忍びの国』の感想を書こう。

昨夜、地上波に初登場した『忍びの国』…ご覧になりましたか??

ひるねこ、不覚にも映画を観そびれていたので、昨日が初見だ。今日はその感想を書いてみよう。

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実は原作本は以前に読んでいる。

ひるねこの地元の忍城が舞台になっている和田竜さんの作品『のぼうの城』が映画化(2012年公開、主演は野村萬斎)された時に、同じく和田さんの作品である『忍びの国』も一緒に買って読んだのだ。

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和田竜さんの作品はこの2作しか読んでいないが、どちらもとても面白い。

時代物には勧善懲悪とか武士道的な道徳観がありがちだが、どちらの作品も『実際にこの時代に生きていた人々は、こんな思考をして、こんな風に生活をしていたんだろうな…』という生々しさを感じる。現代ではないその時代の世界を純粋に楽しめる作品だ。

 

例えば『忍びの国』の忍者たちが、現代に生きていたら…大変なことになる。

人を想う感情に乏しく、自分の欲望に忠実で金にがめつく…欲望を満たす為には殺戮も厭わない。というか、そもそも人を殺してはいけないという概念がない忍びの国の住人。現代の日本に伊賀者がいたら…おそらく犯罪者として人生の大半を刑務所で暮らすことになるのだろう。

 

映画では、冒頭の百地家と下山家の小競り合いから無門(大野智)と次郎兵衛(満島真之介)の対決シーンまでがとても象徴的だ。

まるで地域の運動会のように嬉々として戦う忍者たち。

息子が死んでも『それがどうした…次男など、下人に過ぎん』と言い切る父親(でんでん)。

弟が殺されて怒りが収まらず、弟を殺した無門に摑みかかる平兵衛(鈴木亮平)。

『オマエ速いなぁ……何怒ってるんだよ』と普通に言っちゃう殺した本人の無門。…きっと本当に平兵衛の怒りの理由がわからないのだ。f:id:hirunekotan:20190403191844j:image

そして鐘が鳴ると戦は終わりだ。『十二評定の参集の合図』だそうで…現代の自治会の会合みたいなものかな?

そして、戦っていた忍びだけでなく女性も子どもたちも、運動会の後片付けのように、楽しそうに武器も死体もサクサクと片付けられる。

人を人とも思わない『虎狼の族』と呼ばれる『忍びの国』の住人たち…凄い世界だ。

↓次郎兵衛を殺したご褒美をもらって嬉しそうに帰る無門。まさに地域の運動会帰りの青年団員だ。

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そんな忍びの国で迷いなく生きてきた伊賀で一番の忍者無門が、愛する妻の死によって別の価値観を持つようになる。

面白いのは、忍びの国では人を人とは思わない…命に価値を見出さない無門や次郎兵衛のような人が常識人で、人の死を悼み、人を大切にする平兵衛のような人が変人だということ。現代の常識が忍びの国では非常識なのだ。

…そんな訳で、変人平兵衛は伊賀を飛び出し…そこから物語が始まる。

この冒頭のシーンがちゃんと物語の世界観にトリップさせてくれて、とてもよかった。

 

大野くんは無門の人格を見事に表現していたと思う。とても魅力的だった。アクションシーンも軽快で、次郎兵衛との対決シーンは、ジャッキーチェンの酔拳を思い出したわ。

この物語に今のところ続編はないけれど…いつかまた大野くんに無門を演じて欲しいと思った。←大野くんの夏休みが終わるまで待ってるよ!

 

さて、我らが知念侑李だ!

『忍びの国』…原作には『文吾』という忍びが出てくる。後に天下の大泥棒石川五右衛門になる『文吾』は勝手に無門に張り合っている若い忍びで、美しい容姿をしている設定だ。原作のラストシーンでは無門と文吾が京の街で行き合い、普通の人々には見えない速さで剣を交わすのだ。←カッコいい!

ひるねこ…知念が演じるのはきっと文吾だと思っていたのだが……残念ながら映画版には文吾は出てこなかった笑。

そして…知念が演じるのは…リトラで甲冑先生に、決して演じてはいけないと教えていただいた、あの『織田信雄』だ。

信雄は原作を読んでも全く感情移入できないキャラだった。最初から最後まで、才能のない小物の印象笑笑。

でもね…映画版の信雄は違ったよ!鼻っぱしらばかり強い、才能のないボンボンが、自分の能力を素直に受け入れて弱味を見せる事で、家臣に愛されるようになる。

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↑このシーンがとても良かった!

知念はとても演技が上手い。知念だったからこそ、素敵な信雄になったのだ。

そして、このシーンの大膳役の伊勢谷友介さんもステキだった。最近『翔んで埼玉』を見たばかりなので、伊勢谷さんが演じた千葉のリーダー『阿久津』とどうしても被ってしまうけれど…笑。←阿久津もステキなキャラだった!

 

石原さとみさん、平祐奈ちゃんの2人の姫も凛としていて良かった。2人とも物語のキーアイテム『こなす』(←国も買えるくらいの価値があるお宝) を持って息絶える。意志の強い武家の姫…2人とも本当に美しかった。

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そして、この物語は人が亡くなるシーンがポイントになっているのかもしれない。

平兵衛の死はとても印象的だった。無門と同等の忍術の使い手だという平兵衛。最後に無門と戦うシーンは見応えがある。息絶える直前に『人として死にたい』という平兵衛に『わかった。もう怒るな』という無門。

そして平兵衛が息絶えた後に無門は『可哀想に…』と呟く。自分の信念を持つが故の怒りの感情や悲しみの感情…感情に左右されて、結局死を早めてしまう平兵衛を見て、感情の起伏のない虎狼の無門は可哀想だというのだ。

一方、お国は死の直前に無門の本当の名前を教えて欲しいと頼むのだが…『知らんのだ。名前なんて知らん。名前なんて無いんだ』と答える無門。名前がつけられることなく、幼い時に伊賀に連れて来られて、ずっと殺戮に明け暮れてきたのだ。それを聞いてお国は『可哀想に…』とつぶやき息絶える。

虎狼として生きることと、人のとして生きること…どちらが可哀想なのか。無門は結局、虎狼ではなく人として生きることを選んだのだと思う。そしてもちろん、現代に生きるあたしも、人として生きたいと思う。

 

とりとめのないことをあれこれ書いたが、結局『忍びの国』は面白かった!